いしずえ

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2019-01-01から1年間の記事一覧

抜本塞源論〔口語訳〕

しかも万物一体の仁を完全に成し遂げるから、精神が貫通し志気が流通して他人と己れ、物と我との間の区別がなくなるのであります。これを人の身で譬えて言いますと、目が見、耳が聴き、手が持ち、足が歩いて、始めて身体の働きが果たされるようなものです。…

抜本塞源論〔口語訳〕

当時、世の人々は、和気藹々として楽しく暮らし、お互い家族のように親しみ合いました。だから才能や素質が劣っているものは、農夫、職人、商人などの身分に満足して、各自わが職業に精を出し、お互い助け合って生活を営み、高い地位を望んだり、よい境遇を…

抜本塞源論〔口語訳〕

当時学校内では、ただ徳育を教育の主眼としました。そして独自の才能を持つもの、例えば礼楽に秀れていたり、政治教化に秀れていたり、農業に秀れていたりするものがいますと、徳育を根本として、さらにその才能を学校で磨かせました。そして有徳者を採用し…

抜本塞源論〔口語訳〕

その教えは、堯・舜・禹に相伝えられた「道心は微弱であるから、心の雑念を去ってこれを純化し、ひたすらこれを保持するようにして心を中正にせよ」というのが、その綱領であり、「朋友の道は信である」という五教が、その細目であります。 堯舜三代の世では…

抜本塞源論

今後、我々が王学の発展を望むなら、当然抜本塞源論を、より重視すべきである。そうすれば王学の真実な思想を見失う事がないであろう。而も実際的に我が身にこの社会に役立つ事が出来る。そして誰もが政治知識を得られ、道徳才能も得られる。それは簡単明瞭…

(ヘ)事上磨錬

門下生、陸澄が小児危篤の家書を得て、憂悶に堪えないで居る時に、陽明之を見て「此の時こそ正に工夫を用ふべきである。若し此の時放過するならば、平時の講学は何の為にしているのであるか、人は正に此等の時に在って磨錬する事を要する」と教えた。又、同…

(ホ)数尺の水源

水源のない、数町歩の池水となるよりは、数尺四方でもいゝから水源があって、生意の尽きない井戸であった方がいゝと王陽明は言っている。又、「泰山の高きより、平地の大なるを」とも言っている。これは一見矛盾している言葉であるが、それは広い池も高い山…

(二)一棒条痕、一掴一掌血

諸君は此々にあって務めて必ず聖人たらんとする心を立てるようにしなければならぬ。そして何時でもピシッと一棒痛打すれば何時でも一生、一筋の痕が残り、グッと把めば、その物に手の血型が付くようでなければならぬ、それでこそ私の話を聴いても一句ゝ力に…

(ハ)四言教

善なく悪なきは、是れ心の體 善あり悪あるは、是れ意の動 善を知り悪を知るは、是れ良知 善を為し悪を去るは、是れ格物 格物・致知・誠意・正心 告子は唯、心を動揺させないという事を功夫の主眼とした。 孟子の場合は、心は本来動揺するものではない、義に…

(ロ)陽明学の五綱領

①心即理=王子の説は、理は心と離れて事々物々の中にあるのではない。事物の理というのは即ち心であるというのである。謂る理を外物に求めず、心に求めよと説く。「忠と孝の理は君親の身上に有りや、若し親の上に孝行の理があるならば、親が亡くなれば孝行と…

陽明学が右・左の仲を取り持つ

中江(兆民)は狂態を装うていたが、実に天真爛漫なものぢゃ、初めて知ったのは自分が30前後の時ぢゃ、大阪で有志大会があった時、その席上、私は中江と云います。と名乗って来た。それから三日続け自分の宿にやって来て「ビールを下さい」と言って半ダー…

陽明学の真髄知行合一

②知行合一=知れば必ず行う、知る事と行う事は一緒に進む。行はざるは未だ真に知らざるが故なり。この知行合一説は畢竟するに知と行は、もと之れ一箇の本體の両面であって、別に話して考える事は出来ない、知と行とは同時的、共存的なものである。 「今の人…

七、王陽明の基本的思想の概要

(イ)王陽明の五溺 王子の一生は57年であるが、前半生は迷うて過ごしている。其の間の迷いを五溺と云う、其れは①任侠②騎射③辞章④神仙⑤仏教である。 先ず①任侠は男立ての事で、日本で言えば幡隨院長兵衛という格である。謂る「弱きを助け強きをひしぐ」と…

王陽明の思想とその歴史的位置

陽明学は孔子の儒教の流れを汲むもので孔子・孟子そして宋時代の朱子に至るが、朱子学は当時官吏の学で、我が国に於ても江戸幕府が御用学として、取入れたが支那と同じように博学知識、窮理の机上の学問では、国家革新は出来ないという事で知行合一の陽明学…

王陽明の出生

成化8年(西暦1472年)今の中国の上海の南にある浙江省の餘姚県という所で生れた。日本は足利時代で此の年は、応仁の乱で有名な山名と細川の二大将が、死んだ年で今から534年前である。 王子は名を守仁と言い、字を伯安と言った。陽明という号は紹興…

陽明学の趣旨

近代日本歴史上、一番の大変革期・明治維新の原動力となったのが陽明学である。謂る明治維新は攻める人も陽明学なら守る人も陽明学であった。例えば倒幕運動で攻める人は、大塩中斎(大塩の乱)に始まり、薩摩の西郷南洲、長州の吉田松陰以下高杉晋作であっ…

光や山のようなもの

(安岡 正篤)「私はまだ立雲翁に直接面晤した事がない。 然し数回宴席で翁の風貌に接した事がある。 古人を見ていると何となく心が和らぐ、一人でも楽しくなる。 翁は終始黙々として居られるが、それが私の胸に天範となって響く、何だか名刺を出したり、挨…

翁は、微塵の技巧もない人

立雲翁を訪うて以来、一度もこちらから生国、職業を云うまで「君はどこの生れか」「君は何をして居るか」などと普通の人が挨拶参りに問ひさうな事を嘗て問われた事がない。無駄な事を云わぬ点、立雲翁は実に徹底して居られる。「今日は結構な天気で」とか「…

三宅雪嶺の頭山評

三宅雪嶺が頭山を評価した点として、次の諸点があった。 (イ)人を良くまとめる。 (ロ)金銭に恬淡としている。 (ハ)イザという時は、命を投げ出す事ができる。 (二)一身を捨てて五尺に委ねる。 (ホ)無位無官で平気でいる。 (ヘ)独立独歩しかも頭…

中国の保護国へ転落か

中国はアフリカ諸国のレアメタルを狙って進出し、数ヵ国をほぼ植民地状態に置いている。次に狙うのは東シナ海の完全な制海空権と西太平洋の制海権である。このためには台湾を領有するとともに、日本を保護国化しなくてはならないが、民主党の進める外国人参…

背後に反皇室勢力の手が

そしていま、タイでは華僑系のタクシン前首相率いる反政府勢力がバンコクで騒乱状態を招いている。タイ王室は国王と後継者とされる皇太子が対立していると言われ、皇太子に取り入っているのがタクシン派つまり親中国勢力である。ネパールに次いで、王室の内…

日本船が中国船に追尾される

22年間にわたって10%以上の軍拡を続けてきた中国の脅威がいよいよ現実のものとなりつつある。4月には沖縄と宮古島のあいだを抜けて、10隻の中国艦隊が太平洋に向かい、沖ノ鳥島周辺で演習を行った。5月には日本の排他的経済水域内で調査中の日本船…

箱田、平岡の威望

平岡は満身智と才とで固めた人で勇気もあった。才と云っても沈才と発才とあるが、平岡の才は火花の発するが如き発才であった。又箱田は勇猛な男で、一身を国家に捧げる心掛けは分秒の間も忘れないという風で、天下俺を描いて何者ぞと云ふ意気の人であった。…

大小を見て正邪を見ぬ

頭山の最も近い政治家の一人である犬養毅は、人間として頭山のあり方をみて「立雲は大小を見て正邪を見ぬ」と評している。 松岡洋右が、ドイツのヒトラーに「お国の政治的偉人は誰か」と聞かれて、頭山満だと答えた。その説明をしたところ理解出来ない、とヒ…

他社から観た頭山評

杉山茂丸は頭山翁に「才は沈才たるべし、勇は沈勇たるべし、孝は至孝たるべし、忠は至忠たるべし、何事も気を負うて憤りを発し、出たとこ勝負に無念晴らしをするナ、その事が例え忠孝の善事であっても、不善事が勝る悪結果になるものである」かくして杉山茂…

伊藤博文総理に放尿した知事

福岡県知事安場保和(先祖は大石内蔵助の介錯)という男は、知事にしておくには惜しい程の豪快な男であった。或る時、伊藤博文が長州へ来たので、一同下関で舟遊びをして歓迎の宴をした。宴の最中に安場がフラフラ立ち上がると舷で小便を始めた。そのしぶき…

このまま行けば中国の属領に

これらの目指すところは、要するに占領統治の再現にほかならない。徹底して日本を犯罪国家だと教え込み、歴史伝統と日本国民を断絶させ、家族主義を廃絶し、日本を政治的・軍事的に自立できないように去勢するのが占領政策の目的であった。それを再現して完…

亡国法案が次々に上程

だからこそマニュフェストにも載せなかった「外国人参政権」「夫婦別姓」「人権擁護法」といった、日本国の主権を危うくし、伝統的な日本人の生き方を破壊する亡国法案が次々に上程されようとしている。これらが通ってしまえば、どんどん増加する中国人定住…

利権屋と反日左翼が手を結ぶ

政権発足から半年が過ぎて、鳩山民主党政府の本質が明かになった。官僚支配の打破、政治主導、国民の生活がいちばん、供給重視から需要重視へ、コンクリートから人へ、など俗受けしそうなスローガンは盛り沢山だが、やっていることを見れば、その性格は一言…

一日を百年と思え

大塩平八郎は「人は鏡に対して髪の乱るるを憂へず、我が一心の乱るるを見るべし」と言っているが、この一心が天下の大道ぢゃ。又大塩が「一日を百年と思へ」と言うとる。この心掛けが、金鉄をも透すのぢゃ。青年の第一資格は元気である。 平成22年1月1日 〝…