①心即理＝王子の説は、理は心と離れて事々物々の中にあるのではない。事物の理というのは即ち心であるというのである。謂る理を外物に求めず、心に求めよと説く。「忠と孝の理は君親の身上に有りや、若し親の上に孝行の理があるならば、親が亡くなれば孝行という事が無くなるか、若し自分の心の上にあるならば親が亡くても孝行を尽くす事が出来る」、謂る物の理は我が心を離れられないのみならず、我が心も亦物物の理を離れる事が出来ない。
之が「心即理」論である。一方朱子は理を万事万物にあると言って「心と理」を二つに別ける二元論である、と言って王子は理を事物に求めるのは、誤りなるを知る。依って心の外に理は無く、心の外に事は無いと主張した。
