いしずえ

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他社から観た頭山評

 杉山茂丸は頭山翁に「才は沈才たるべし、勇は沈勇たるべし、孝は至孝たるべし、忠は至忠たるべし、何事も気を負うて憤りを発し、出たとこ勝負に無念晴らしをするナ、その事が例え忠孝の善事であっても、不善事が勝る悪結果になるものである」かくして杉山茂丸は、その夜自分の宿に帰っても、頭山の「沈才、沈勇、至孝、至忠」の説の強烈な印象の為に終夜眠る事が出来ず、この一夜で精神革命が起こり、終生頭山の同志となった、と語っている。

 嘗て、伊藤、井上、陸奥、後藤(象二郎)、松方、五氏会食の席で濱の家の女将が「頭さんは至って親切なやさしい御方で御座います」と云った処、陸奥が笑い乍ら直ぐ「お前達にはやさしかろうが、我々には少しもやさしくない」と云ったという。

 嘗て親友箱田六輔が、翁に向って「貴様は馬鹿か怜悧か何年付き合っても正体が知れぬ」と云った。高杉晋作が三浦観樹に「馬鹿になり得る人間でなくば大事は成せぬ」と喝破した。小賢しき当代に於て、大石良雄と型を同じうする者を翁を措いて外にはあるまい。

 翁は如何なる場合でも、人の怒る時に怒るやうな野暮ではない。人が怒を以てすれば、笑顔か馬鹿面で答える。又翁は人の言ふ通り物を云ふ、相手が丁寧なら丁寧にするし、横柄に言えば、横柄に言ふ。

 平成22年4月1日  〝いしずえ〟頭山満翁の人物像より

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