いしずえ

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抜本塞源論〔口語訳〕

 当時、世の人々は、和気藹々として楽しく暮らし、お互い家族のように親しみ合いました。

だから才能や素質が劣っているものは、農夫、職人、商人などの身分に満足して、各自わが職業に精を出し、お互い助け合って生活を営み、高い地位を望んだり、よい境遇を慕ったりするようなことはありませんでした。

皐陶や夔・后稷・契のような才能の秀れたものはそれぞれ進んで世のためにその才能を発揮しましたが、いずれも一家の仕事をするときのように働き、あるものは衣食を作りあるものは物質を調達し、あるものは器具を作るなど、衆智を集め力を合わせて、父母の孝養と、妻子の養育の願いを遂げることを求めるようにし、只その仕事に携わるものが、怠けてわが方に負担がかかってくることを恐れるだけでありました。

だから后稷は、農耕に励み、民の教化に関しては無知であってもそれを恥と思わず、契がよく民を教化しているのを見ると、まるで自分がよく教化しているように思いました。

夔は音楽を司り、礼に関しては無知であっても、それを恥と思わず、伯夷が礼に通じているのを見ると、まるで自分が礼に通じているように思いました。

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