いしずえ

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安岡正篤(著) 『古典を読む』より

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民衆を救うためには、観世音・薬師になる心掛けをもつ必要がある

薬草というものは、花の形も珍しく色も美しいものが多く、しかも荒地によく育つものである。

ちょうど人間も貧苦艱難の中に育つと、薬草を生ずるようなものである。

実際貴族富豪の子弟に、国家のやまいを治す力ある者等はめったに出ぬものである。

仏教の中に観音薬師の信仰があり、寺名にも医王山何々寺と仏是最勝医王也の語もあるが、事実釈迦も、聖徳太子行基も皆医家の一面を備えていられた。

儒者の中でも、中江藤樹先生、三浦梅園、亀井南冥(かめいなんめい)先生も皆医者であったのである。

民衆を救うものは、民衆に向って難しいことを説く前に、民の病を救い、健康の相談相手となったのである。

民が病から救われて有難いと思ったところで、はじめて道に導く、そこに真の教化が布(し)かれたのである。

観世音とは世の中の訴える音を観ずるので、薬師は病者に薬を賜わる有難い仏として仰がれたのであるが、教員、警察官等は観世音、薬師になる心掛けを持たなければならない。

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