いしずえ

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第三章 古代思想

  禁断の実

 神に禁ぜられた「禁断の知恵の実」を悪魔(蛇)の誘惑に歎されて喰ったため罪を得、神は怒りエデンの園から追放した、罪深き者として苦難の道を歩むこととなった。苦しみ悩み、悶え、迷い、病み、貧しくなり、そして苦労を負うことになった。これが原罪説の起こりである。知識が罪の本源であるというのである。

人間が苦しみ悩み悶え不運であり不幸であって世の運行が思うようにならないのは、神意に背き反して勝手な行動をとるからである。この現実生活は暫し流浪の旅であり異郷をさすらうようなものである。この世は仮の宿であって眞の世は天国にある。故に現世にあってはすべて世に属するものを願わず、只善と義を求めてやがて憂患の多い現実生活を終えて眞実の神の國に入る楽しい機会の来る日を待つべしという。

   (43 43' 23)