いしずえ

『陽明学勉強会』 参加希望の方は kuninoishizuehonbu@yahoo.co.jp まで!!

思想の歴史

第一章 人類史の始り

人類の歩み二千万年

 人間唯生きるだけのものならば、動物・植物と同じである。動物も植物も人間も生命をもって生きていることに於いて共通であるからである。人間と動物の違いは、生命より派生した属性の考へる理性、感受する感性、眞実を極める悟性がある点である。

 有史六千年の間に人類は二十六種の文化を創ったが、現存する文化は五つである。「西洋ヒューマニズム」、西アジアの「ユダヤ教キリスト教」、中央アジアの「マホメット教」、インドの「仏教・ヒンズー教」、中国の「儒教道教」、日本の「神道」である。

 人類と類人猿とが分かれたのは二〇〇〇万年前であると推定される。最古の人類は今から約二百万年前である。

 群居生活を営み、食糧を採集する点では類人猿とあまり差はないが、違う点は二本の足で歩行し、手と足との機能が次第に分化し、それが頭脳の発達を促し、考えたり感じたりすることが出来るようになった点である。これは火を利用することを知り、前足が次第に手に変じ、直立の姿勢を取るようになって、解放された頭脳が著しく発達することになったからである。火の利用はやがてその本源を太陽であると考え、これを純化して仰ぎ、その神秘性を霊(人間同様意識あるものと考えた)神であると信じた。

 五十万年前の原人類は、道具を作り、あり合せの石や木を道具に使うことは類人猿にも見られるが、これを加工して使い易い道具にしたのは我々人間の祖である。五万年前以来の旧石器時代になると、その以前から姿を現していた新人類が大活躍する時代を迎えた。石器は次第に精巧さを加え、また野獣の角や骨で、投げ槍、矢じり、銛、釣り針などを創った。又使者を鄭重に埋葬し、又生命を脅かす暴風雨・洪水、噴火、雷、地震などを恐れ、これを神の仕業であると考え、恐怖の心理から神の怒であるとなし、その怒りを鎮めようと祭礼をし、またその加護救済を求めて祈禱礼拝した。こうして人類史が始まったのである。

   (43 43' 23)

f:id:kuninoishizue:20210315132605j:plain
人類思想の歴史と未来