いしずえ

『陽明学勉強会』 参加希望の方は kuninoishizuehonbu@yahoo.co.jp まで!!

第三章 古代思想

  ノアの洪水

 神の祝福を受けて産めよ殖やせよ地に満てよと勵んだ人間が繫栄し発展し、増加するに従って、次第に神を疎んじ軽視するようになり無信仰になって行った。神はこの状を見て嘆き悲しんだが大勢の人間は神の心に従おうとしない。そこで神はもう一度人間生活を根本から遣り直さねばならぬと考え、大勢の中から人間の祖となるに適わしい信仰心の厚い正しい人間を選び、それに立て替の使命を与えた。

ノアは神の指示通り方舟を造り、必要物資や家畜をそれに乗せ家族と共に乗込んだ。すると空は忽ち真黒になり大雨が降り出し、四十日間もつづき地球は水びたしになり、すべての生物は死に絶えてしまった。ノアは神に任せて水の引くのを待った。半年後やっと水が干いたので舟から降り、先ず真先に石を積んで祭壇を造り、神への捧げものをして礼拝祈禱した。これを見て神は「再び人間のために呪うとはしまい。

人間は生まれながら罪を持っているのだから、すべてを滅ぼしてしまうことはしない、その代り春夏秋冬と昼夜を与え、神の意に添うよう導こう。そして再びすべてのものを人間に委ねることを約束する。」と約束の印に大空に虹を現わした「見よこれが約束の印だ。後、天にこの標を見たならば、神が人間との間に結んだ約束を思い出すがよい」それが契約思想の起源である。

 人間が神意に反し、我知欲に狂い、腐敗堕落崩壊荒廃する時、必ず神は天罰をもってする、それが天災であり、神人は革命の人災をもって裁く思想である。

   (43 43' 23)