『運命を開く』より

敬と恥あることによって、人間は動物でない

子供というものは、本能的に分けて言うならば、母に愛・慈愛、父に権威・尊敬・敬慕、こういう念を本能的に持っておるものである。

人間と動物を区別するギリギリ決着の問題は何かと言えば、「敬」と「恥」である。この二つは人間に根本的にたいせつなものであって、これを失うと、人間は明らかに動物並みになる。人間という獣になる。そうなると、最も悪質の獣になるわけです。外の動物が持っておらぬ知識だの才能だのといういろいろなものを持つから、これはどうも難物になる。

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