いしずえ

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『運命を開く』より

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才は、少し頭を出したばかりの能力、それだけでは大したものではない

大体、「才」というものはたいせつな能力ではあるが、それだけでは大したものではない。そこに意味があります。ですから「徳」というものによって才を培養して、初めて伸びるものです。徳という肥沃な土壌がなければ、すぐだめになる。「才子才に倒る」なんていうのはこの例である。

才とか知とかいうものは、たいせつなものであるが、その反面危ないものです。人間が才に走ったり、知に過ぎたりすると、つまらない味の悪いものになる。どちらかというと、才知を悪い方に使って身を誤る者が多い。「徳」とは、自然が物を生み育てるように、我々の中に在る凡(およ)そ物を包容し育成する能力を言います。彼は何ができる、頭が良い、弁舌が立つ、学才があるなどという才は、大事なものであるが、大したものではない。