いしずえ

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中国思想

 殷王朝は多くの都市国家の支配者たちを武力で統合した盟主であった。いわゆる支配者たちは諸候であり、人民に対する殷王朝の支配は、これら諸候を介しての間接支配であった。周王朝はそのままの体制を継承した。唯周は一族の者を各地の支配者として送り込み、婚姻関係をもって有力氏族との結合を強化し、宗廟と社稷の祭祀をもって支配体制を補強したのである。

 生産力は次第に高まり、商工業も発達し、商品の流通が盛んとなるにつれ、新しい有力者が台頭し、広大な統一的経済圏が形成されてゆくにつれて強大な政治権力が要求されてくる。かくて周王朝の支配体制は次第に崩壊し、春秋戦争(前八世紀、前五世紀)時代となった。実力者になる覇権争奪の時代である。戦争時代の七國の兵力動員数はいづれも三十万人といわれている。このように戦争の規模が大きくなり戦が激しいものとなるということは、これをなしうる経済があったということである。春秋戦争時代は、また繁栄と上昇の時代であった。孔子をはじめ多くの思想家が輩出したのは、このような動乱と繁栄の時代であった。

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人類思想の歴史と未来