父系的父権社会組織を有する遊牧民インド・アーリア人が西トルキスタンから西印度に侵入しインダス河上流の五河地方を占拠したのは三千三百年前頃である。当時の印度には農耕を営み村落を形成し、地母神を崇め、母系的母権社会組織を有する先住民族が存在していた。先住民は征服されたが、侵略者の文化より遙かに高いものであったため、侵略者アーリア人は先住民の文化を摂取し乍ら、自分たちの生活を形成していった。彼等は更に東方に進出し、ジャムナ河とガンジス河との中間の肥沃地帯を占拠し、更にその後、ガンジス河中流地方に進出した。この間に先住民族との人種的混血と文化的混合の度を深めつつ独自のインド文化を形成して行った。
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