2021-04-20 印度思想 前八世紀頃まで、三ヴェーダ(リグ以外のサーマ、ヤジュル、アタルヴァ)本集も成立した。アタルヴァ・ヴェーダは呪法を主とするもので、先住民族の土着文化と密接な関係がある。これを主管する祈禱僧は祭式全般を総監する祭官たる位置が与えられた。このバラモン祭官を中心に、バラモン階級が成立した。印度文化の形成には先住民の農耕文化が大きな役割を演じている。紀元前七世紀頃ウパニシャッド哲学をはじめとして、唯物論や懐疑論、ジャイナ教や仏教がこうした背景のうちに現われてくるのである。 (43 43' 23) 人類思想の歴史と未来