いしずえ

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安岡正篤(著) 『東洋人物学』より

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事業、徳業、そして天業

徳業という言葉を味わわなければならない。ただ、われわれが欲望や才能でやっていることは、これは事業です。その事業にその人の人間内容が出てはじめて徳業になる。だれがやってもやれること、たとえば大会社の役員のだれかが交替した、誰に替わったといっても仕事が機械的にやってゆけるようなのは、これは事業。この事業にその人間の尊い内容、命が滲(にじ)み出ておって、これを抜いたらその仕事に生命がなくなってしまうようなのを徳業という。

人間の根本的なもの、すなわち、切々として人間の真実に深く結びついておる、これが宇宙、人生、自然と人間に一貫して、自然と人間とを繁栄せしめるという業が天業というのであります。