いしずえ

『陽明学勉強会』 参加希望の方は kuninoishizuehonbu@yahoo.co.jp まで!!

安岡正篤(著) 『易と人生哲学』より

イメージ 1

わからぬ、分(わ)からぬ、の本当の意味

このわからぬという言葉は面白い言葉でありましてもともと易学の言葉です。普通は頭の問題と思っておりますが、本当は創造、クリエーションの問題で、あまり分派すると力がなくなり、あまり茂りすぎると生命力、創造力がなくなりますから、わからなくなる、そこでこれを結ばなければなりません。枝から幹に、幹から根にという具合に結ばなければなりません。これが創造の理論であって、易の陰陽の理論でもあります。

そこで陰は、籠(こも)る、結ぶという意味があり、陽は、表立つ、分かれる、従って繁栄していくが、やがてこれは生命の真理から離れる。あまり分かれ分かれて枝葉にはしりすぎると生命成長の働きがとまる、つまり創造、成長の道からいうと嘘、偽になります。そこで陽という字には「表に出る」という意味と「偽る」という意味があります。つまりただ分化発展していくだけですと、分かれ分かれていきますから、ついにはわからなくなるのであります。