いしずえ

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はじめに

 どういう社会体制(資本主義・共産主義一党独裁立憲君主)であろうが、現今の凡ゆる国々を見ても不安定であり、又その国民に於いても不安動揺を来たし、理想国家というのは見当たらない。
 人類史上科学・機械・技術は目を見張るものがあり、多くの国民はその恩恵に預かっている。然しながら内面の方は甚だ危うい、安心立命には程遠い状態である。所謂利便性だけが突出し、人間の心は置き去りにされていると云っても過言ではない。はっきり言うと物と心のアンバランスであり、物質的価値観の方が精神的価値観より重きを成しているというか、目に見えるものが絶対にして最高の価値があるものとして今日迄見做されているからである。
 我々はもうそろそろ内面の方へ目を向けなければならい所へ来ていると思う。最早西洋近代文明は完全に行き詰まり、東洋の精神文化、特に両文明を摂容してきた日本文化(神んながら)を世界に発信しなければならない秋である、と思考するものである。有史以来、四大聖人(キリスト・仏陀孔子ソクラテス)の系譜を世界の諸宗教、哲学、思想文化は辿って来た。然しながら21世紀の今日に至るまで、この四大聖人を超える程の人間は輩出していない。逆に益々堕落していると云ってもいい。
 一方科学の方は年々歳々進歩発展を遂げ、遂に生産力は人力の3,000倍(電気生産)から12,000倍(原子生産力)に達しようとしている。このまま行けば人間は機械に使われ、非人間的なり、人と人が見えず機械化し益々人間獣となって生存競争、優勝劣敗、弱肉強食は蔓延り、争いの種は尽きない世の中になるであろう事は疑い得ない。然し私たちが今、生きている人々に依って叡智と合意を以てこの科学文明を、方向修正転換する事が出来ればこの危機を脱出出来ると思う。それには人間の内面的構造(真理)を探究し、科学文明に比する原理法則を発見獲得して、世界に敷衍して行く事だ。その可能性があるのが祭政一致の日本(天皇)であり、日本人であると思考するものである。
 茲に今般「新しい道」として公開するに当たり決して新しい道だけでなく、いにしえの道からとこしえの道に一貫しているものと思っている。
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