いしずえ

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『童心殘筆』より

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山水養性記



灌木の繁みを分けて二人は巖頭に立った。

脚下を潜って、一道の白龍が身を跳らして飛び下る。

下には気持の悪いほど蒼黒く澄んだ瀧壺が絶えず白雪を噴いて、苔蒸した兩崖は飛沫の為にしっとりと濕って居る。

學。おっと。何だか誘いこまれそうだね。

儈。全く、あんたは東坡居士がお好きだったね。

學。蘇東坡、私には懐かしい人の一人だ。その蘇東坡が?

儈。其の蘇東坡にわしの好きな瀧の詩がある。

學。なる程廬山に遊んだ奴かな。