大衆は、優れたエリート、優れた指導者が要る
よく政治家が「世論（よろん）＜輿論＞の定まるを待って…」などと見物のようなことを言っているが、軽薄な意味での民衆の論が定まるなどということはないのであって、信頼すべき指導者がいないと、衆論・多数の論は、どこへ行くやら不確かで取りとめがない。世論とは生ずるものであると同時に、これは定めるべきもので、大衆になればなるほど、優れたエリート、優れた指導者がどうしても要る。指導者不在の大衆は、やたらに防徨するだけ、さまようだけである。ストレイ・シープ、迷える羊になるに過ぎない。
