いしずえ

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憂国同人便り ~ 元高知大学教授より

http://blogs.yahoo.co.jp/k_ishizue/12107200.html

先日提出の拙文中「えせ保守」の言葉を使った理由と御断り

山崎闇斎、保科保之、浅見絅斎、佐藤一斉らの土佐南学・陽明学朱子学を維新志士たちの精神的バックボーンとした尊王思想が維新時の中核となり、行動の原動力であったことは言をまちません。本来維新の何年も前に徳川家は大政奉還を決めて最終的御前会議で決定する寸前に岩倉・大久保らは出る幕がなくなるとの危機感からクーデターで御前会議をつぶし、徳川家とそれに従う諸藩を朝敵としたことは明らか(石尾芳久氏の業績)であります。維新後大久保専横体制に異を唱えた神風連乱、佐賀の乱、他西南の役などすべてを粛清し、後岩倉卿暗殺未遂事件の食い違い事件にかかわった土佐の維新の志士たちの遺族などをすべて死刑にした後、明治頃まで薩長の人材がほとんど権力の中枢を握ってきた経緯であります。その間大久保利通麾下、子孫が保守本流とし、戦後もその閨閥自民党の地盤として自民党の中核を担ってきましたが、本来の維新以前の尊王思想の方向とは異なってしまいました。もっとも端的な事例は岩倉・大久保業績評価プロパガンダ靖国神社のありようで、全国戦没者慰霊祭、護国神社、忠霊塔、靖国神社・・など慰霊にたいする扱いがまちまちで、戦争犠牲者の扱いが差別的であり、天皇陛下靖国神社には参拝されていない現状です。魂を等しく扱う慰霊祭が一日も早く実現されるべきだろうとおもいます。この現状からも現状は本来あるべき姿ではありません。
いわゆる開明派の維新後の人材は欧米思想を中心にすえ、闇斎・保科保之・・・他全国の陽明学朱子学尊王思想は維新後排除された保守思想となり、特に戦後は進駐軍の指示により決定的に排除されて戦後の人材は育ってきたのが現実であります。戦後教育を受けた今の政界のほとんどの人材は本来の日本人の精神文化で育っていないと存じます。こういった経緯から、ここでは現在自民党保守主義を「えせ保守」とあえて言はしていただきました。
以上の考えがあって、「安倍首相は独裁政権をめざしている」という文中で上記用語を使用させていただきました。御立腹は当然かとは思いますが、偉人たちが命を賭した歴史的経緯や精神的バックボーンには熟慮せず、今なお国土の扱いが粗末になっているという思いがあり、あらためてきつい表現で諸兄に再考いただきたく、提示文とさせていただきました。あしからず著者記