十八世紀の中頃イギリスに産業革命がおこり漸次ヨーロッパ諸国に拡がり、やがて全世界に波及するに至った。
その結果は大企業、大資本家が産業界を支配することになり、いわゆる市民階級(ブルジョア)が資本主義社会に成り立て運営することになった。
産業革命がイギリスにおこっているころフランスでは政治革命がおこり、これを相前後して政治革命が英・米・独・伊そして日本にもおこり、遅れてロシアにおこり半世紀後中国にもおこった。
産業革命と政治革命は不可分のものであって、車の両輛のごときものである。
一方が革命すれば他方はこれに応じて改変し、両々相俟って進歩発展して来たものであり、もし制度機構がこれの障害となり停滞することあれば、必ず混乱がおこり社会問題、政治問題が発生し、改革がせまられるものである。
昨今想像も及ばぬ犯罪や事件が踵を接しておこるのは政治と経済のアンバランスよりおこっているのであって、電気、石油生産力に制度や機構が古く追随できぬばかりか邪魔立てしているからである。
それは無知と怠慢と制度機構の動脈硬化から来ているのである。
これを改めずして犯罪や社会問題を解決することは不可能である。