超私有財産は国中国を造る （十）

十、中央管理調整機関の経済省の設立

広く国民の中から国策意見を集め、特に学識経験豊かな専門家をもって、中央管理調整機関を設立して国民生活の均衡と調整を図る。

官（士）農工商等の職能のバランスを計り、ベース・アップを制限し、税金に振り替え、富の偏在を抑制調整して物価の安定を計る。

中央管理調整機関は、通商産業省、経済企画庁と異なり国家の実務を取扱うものでなく、経済管理調整に当るものである。

資本主義自由主義の「自由競争」と社会主義共産主義の「平等と統制」と両立調整を図る機関である。

現代は十九世紀産の資本主義及び社会主義・共産主義の時代でないにも拘らず、資本主義もしくは社会主義・共産主義の意識で社会国家を運営しているところに最大の誤りがおこっているのである。

資本が社外に外在する以上労働組合の存在理由なく、況んや階級意識やベース・アップ等生産性よりおこる利益を独り占めするのは全く時代錯誤も甚しい。

人間は他動物のように生理現象のみで、または惰性だけで生きているのではない。

時代々々に則応し頭で考え情の迸りにより、更に真善美を悟りつつ生き行くものである。

（平成二年六月十五日）

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