いしずえ

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第四章 中世の思想

 マホメット教の戒律

 (宗教的戒律

  1. 酒・阿片 — この二つは人間生活に不必要で且つ有害であるとしている。
  2. 生血、豚肉、病死闘死した鳥獣肉および異教徒の屠殺した鳥獣肉食を絶対禁止する。
  3. 奴隷の使用禁止。

 (家族的戒律

  1. 物心共平等に取扱える能力ある場合に限り男は四人まで妻をもつことができる。——能力なきものの多妻を厳正一夫一妻主義を理想としている。
  2. 母や近親との婚姻を禁止する。
  3. 分配主義による財産相続を厳守する。

 (一般戒律

  1. 売淫の罪を厳重にする。
  2. 姦通の罪を厳重にする。
  3. 婦人の月経中の罪を軽減する。
  4. 利子付借金および保険契約の禁止。
  5. 賭博の禁止。
  6. 占易、迷信行為の禁止。

 イスラム教の戒律は他宗教と異なってその教えが極めて多く、信徒の全生活に及んでいる。この戒律の一つでも違反したら神罰は免れないものと考えている。
 コーランは聖書や仏典と異なって宗教信仰上のものばかりでなく、信者の日常生活のすべてを規定した政治、経済、道徳その他一切に亘る一つの法典である。これが信徒の生活を束縛し、近代的文化生活に立遅れさせた原因にもなっているが、しかし、この事はイスラム教の無価値を意味するものではない。

   (43 43' 23)

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