近年、チリ沿岸の海には、ピシリケッチア症(SRS)というサーモンの病気の原因となる「ピシリケッチア・サルモニス」というバクテリアが大量に存在している。SRSにかかったサーモンの身には鮮やかなピンクのただれが生じる。
昨年チリの養殖場で病死したサーモンのうち約80%の死因がSRSだった。これまでのところ効果的なワクチンや治療法が見つかっていないため、抗生物質の使用がまん延している。しかし、抗生物質の使用によってつきまとうようになった悪いイメージを、チリの養殖業界は今、拭い去りたいと考えている。
抗生物質の使用を削減するための新プログラムは、チリの伝承に登場する男の海の精霊の名を取り「ピンコイ(Pincoy)」と命名された。プログラム発表の際の共同声明は「抗生物質の使用の大幅削減に共同で取り組んでいくために、具体策を実施しなければならないことをチリ産業界は確信している」と述べている。
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