いしずえ

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安岡正篤(著) 『伝習録』より

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道は、人が信じる信じないとに関係なく、本来自由に存在するものである

何時の時代、どの国家でも、純真な精神と真剣な学問信仰に生きた人々は、その時代と俗衆の頽廃や迫害に悩みながら、毅然としてその信念を深め、「天下これを信じて多しとなさず、一人これを信じて少なしと為さぬ」(天下のすべてが信じても多いわけでなく、ただ一人が信じるだけでも少なしとせぬ)の信念気概を以て、少数の同志者との切磋琢磨に力めたものである。

これこそあらゆる独創性の源泉であり、偉大な行動建設の出発点であった。

人間と社会との道徳的進歩以外、歴史の本義に何があるか。文明の本質に何があるか。

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