人間は生まれ、生活し、そして死んでゆく、正しく生きるにはどうすればよいか、という想念が神話の形で描かれたのである。
神話は渾沌とした現実に、秩序を与えるために創造されたものである。
神話は、人間の生存と秩序あるものとして見る努力と意欲の中から生まれたものである。
神話のうち最も古いものは人類がまだ植物の栽培も知らず、家畜の飼育も知らなかった以前の採集狩猟時代に遡るものであると考えられている。
今から約一万年前以降、人類はしだいに、農耕牧畜による食糧生産の段階を迎えた。
それは乏しい苦難の生活から快適な豊かな生活への前進を意味するものであった。
やがてそれが全人類に伝播して行った。
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