いしずえ

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「生野菜」と「温野菜」、結局どっちが健康にいいの? 栄養士が教える正しい野菜の食べ方

「野菜を食べよう!」は本当に大事!


最近では、食事の話をすると「野菜を食べよう!」というのが合言葉のようになっています。栄養相談などで患者様から「野菜中心に食べています」という言葉もよく聞かれますし、野菜を食べることが身体によいということまでは浸透してきたのかなと嬉しく思います。

ただし、野菜にはいろいろな種類と料理方法があります。それぞれの野菜に適した方法で美味しくいただくコツをお話ししてみましょう。


生野菜と温野菜、徹底比較してみよう!


生野菜と温野菜はよく比較されます。当然、どちらにも一長一短があり、その長所と短所はコインの裏表のようにも感じます。ここで再度、生野菜と温野菜のそれぞれを見なおしてみましょう。

□生野菜

長所:生のままで食べるため、ビタミン類の破壊が少ない

短所:かさが大きく、たくさんの量を食べることができない

□温野菜

長所:加熱することでかさが減るので、たくさん食べることができる

短所:加熱することで、ビタミン類や酵素が破壊されてしまう

生野菜の長所が温野菜の短所、温野菜の長所が生野菜の短所なのです。そのためどちらが優れているとか、どちらが劣っているということはまったくありません。

「今日は暑いから冷たいサラダが食べたい」とか、「主菜はサバの煮付けだから、根菜の煮物が相性がいいだろう」など、一緒に食べる料理との相性や体調などを考慮して、生野菜と温野菜の「長所」を上手く利用するのがいいと思います。


生食向きの野菜、温野菜向きの野菜一口に「野菜」と言っても、その性格はさまざまです。生食向きの野菜、温野菜向きの野菜、生食にも温野菜にもどちらにも向いている器用な野菜もあります。

生食向きの野菜はトマト・きゅうり・レタス・セロリなどが挙げられます。

野菜はカットしたところからどんどんビタミンが分解されていくと言われています。またカットされた部分は「切り傷」のようなものですから、野菜にとっては非常にストレスです。そのため、生野菜の長所を生かすには、新鮮な野菜を食べる直前に切って食卓に並べることがベストです。

とはいえ、スーパーやコンビニ等で売られているカット野菜がまったくダメなのかといえばそうではなく、「野菜を食べる習慣」をつけるためや、一人暮らしで料理をする時間も惜しいくらい疲れているけれど、野菜を食べたいといったときには、非常に役に立つと思います。

温野菜に向いている野菜はブロッコリー・アスパラガス・なす・ほうれん草・チンゲン菜・レンコン・とうもろこし・かぼちゃ・イモ類など。正確には野菜ではないですが、キノコも温野菜と一緒に調理すると美味しくいただけます。

温野菜もできれば新鮮な野菜を使ったほうが美味しくいただけます。加熱方法はゆでる・蒸す・焼く・煮る・揚げるなどの方法がありますが、ゆでるのはあまりオススメしません。ゆで水に栄養素が流れ出てしまいます。

どちらにも向いているのはキャベツ・大根・カブ・ピーマン・人参・玉ねぎなど。

玉ねぎを加熱しないで食べるの?と思った人もいるかもしれませんね。玉ねぎは基本的には、温野菜のほうが向いています。ところが、生食に合う品種があるのです。例えば赤玉は生食に、白玉は温野菜に向いていますが、白玉にも生食用の品種もあります。もし普通の白玉ねぎを生で食べたい場合、切った後「水さらし」をすると、辛味を抑えることができますよ。


最後は味付けにこだわろう!


料理の仕上げの「味付け」についても生野菜・温野菜ともにこだわってほしいことがあります。温野菜のうち「煮物」は煮る際にすでに味付けをしていますが、生野菜も温野菜も各自の好みでドレッシングや塩、マヨネーズ等を使って味付けをすることが多いと思います。

実は、このように料理の上から調味料をかける方法は、手軽ではありますが塩分や油脂類を摂りすぎてしまう原因になります。サラダや温野菜の味付けは、刺身や寿司を食べる時の要領で小皿に調味料を取り分け、一口分の野菜にちょんちょんと調味料をつけてから、調味料のついている部分が舌の上に乗るようにして口の中へ入れて食べると調味料の過剰摂取を防ぐことができます。

ドレッシングを選べるなら、どろどろした形状のドレッシングよりもさらっとした形状のドレッシングを選ぶほうが◎。使うドレッシングは少なくても、美味しく感じられることが多いようです。