いしずえ

『陽明学勉強会』 参加希望の方は kuninoishizuehonbu@yahoo.co.jp まで!!

『暁鐘』より

イメージ 1

詩。大きな自然、美しい風景に接し、本当の自分に返ったとき詩が生れる

人間は、絶えず雑事に追われて暮している。つい利害であるとか、いろいろな欲望に追われて生きているのでありますが、たまたま何か真剣な問題にぶつかったとか、或いは日常の些事から解放されて、ふと大きな自然、美しい風景に接したときに、日常のごたごたした利害、計算、理屈といったようなものを忘れ、本当の自分に返ることがある。これは非常に大切なことで、失われた人間性、自分というものを回復することであります。そういう場合によく詩が生れる。だから案外戦場に出た時とか、生死の場に臨んだとかいうときに古来詩が生れるものであります。とりとめなく働いているときには一向詩は出て来ない。

だから詩に大切なものは、真実であり、解放であり、余裕であり、救いであります。我々が詩を愛するということは、現実から解脱することであり、俗な生活から救われることであり、真実の生命を発見することであります。