いしずえ

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『人間学のすすめ』より

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亡くなった父を先考(せんこう)、亡くなった母を先妣という

死んだ親父のことを先考(せんこう)と言う。これは「考える」ということと同時に「成す」という意味を持っている。何故亡き父を先考というか。親父が亡くなってみると、あるいは亡くなった親父の年になってみると、なるほど親父はよく考えておった、と親父の努力、親父のしてきたことがはじめて理解できる。人間は考えてしなければ成功しない。考えてはじめて成すことができる。考成(こうせい)という語のある所以です。

と同様に死んだお母さんのことを先妣(せんぴ)という。妣という文字は配偶、つまり父のつれあいという意味と同時に、親しむという意味を持っておる。母というものは、亡くなった母の年になってみてはじめて親父の本当のよき配偶であった、本当にやさしく親しめる人であったということが解る。いわゆる恋愛の相手とは違う。本当の女性、母・妻というものは、亡くなった母の年になると解る。