いしずえ

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『暁鐘』より

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生活内容を異にした友達、交際をもつと、思いがけない影響・示唆(しさ)が与えられる

人間というものは一つには自然の存在でありますから、自然の法則にも支配されるので、我々の精神や生活が単調になりますと、物の慣性、惰力と同じ支配を受けまして、じきにエネルギーの活動が鈍(にぶ)ってくるのであります。つまり人間が詰(つま)らなくなってくるのです。眠くなってくるのです。

それを防ごうとするならば、就中(なかんずく)やはり良い師友、良い先生や友達を持つ、つまり交際に注意するということが第一です。毎日見馴れておる顔をみて、定りきった話をして、定りきった生活を繰り返しておるために、だんだん無内容、無感激、いわゆる因襲的マンネリズムというものになってしまう。できるだけ生活内容を異にした友達、交際をもつ。つまりなるべく広く味のある、変化に富んだよい交友を豊かに持つという心掛けがまず第一に必要なのであります。我々の仕事は案外思いがけない示唆(しさ)によって活気を与えられる。思いがけない人から思いがけない話を聞いて、その話が思いがけない影響、示唆を与えるものなのであります。