怒りは体内に猛毒を発す、いつもどこでもおんにこにこ腹立つまいぞの気持で過ごすこと
世界最初の
医書と言われる『素問』の第一章には、「聖人は恙嗔(ようしん)<恙は憂い、嗔は怒り>の心なし」と言っている。
近代
アメリカ医学は、人間の感情と汗や呼吸などとの関係を調べて、怒りがもっとも毒素を出すことを証明している。その毒素を注射したモルモットは頓死したという。病気に罹(かか)る人に怒りっぽい人が多いそうであります。
したがって、「おんにこにこ、腹立つまいぞや、そわか」<明治初年、
曹洞宗の耆宿(きしゅく)・西有穆(ぼく)山がある老婆に教えた
真言陀羅尼(だらに)>が一番良いのであります。
しかしあまり怒らぬと人間はだれる。私憤はいけないが公憤は良い。それよりも自分の不肖に対する怒りは大いに発したいものであります。