いしずえ

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『禅と陽明学』上巻より

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瞋(しん)<いかり、怒り、立腹>は、あらゆる病気の原因

「瞋(しん)」、いかり。昔の人は偉いですね。目に角立てて瞋りという字だ。瞋は目の枠いっぱいに目をむき出すこと、かっと目をむくこと。瞋恚(しんい)の炎(ほむら)などという。私心私欲で腹を立てる、神経を尖らせるのを瞋という。これは最もいけない。

世界最古の医書といわれる『素問霊樞(そもんれいすう)』の開卷第一頁に上古天真論というのがある。そこで人間のあらゆる病気の一番悪い原因は怒りだということを説いている。それがアメリカの医学者によって究明されて、我々の息を冷却装置の試験管に入れたら息のカスができる。その息のカスの中の凶悪犯人の息を取って調べたら、栗色のカスができて、それをモルモットになめさせたら頓死した。その毒を調べると、アメリカのあらゆる薬局方の毒素の中で一番猛毒だったという。お釈迦さんもそれをちゃんと知っておられたと見えて、食欲の次に「瞋」ということを説かれている。