進化の過程でそうやってあらゆる生き物は命の継承を行ってきた。
生物はすべて先祖と自分と子孫の命を繋いできたことから、1本の命そのものである。
先祖の命と自分の命と子孫の命は同じ命であって、鏡を見れば先祖や子孫の顔を伺うことができる。
親や先祖を大切にするや子孫を大切にすることと、自分を大切にすることは同じことであり、そうやって先祖から命を繋いできた。
子に先立たれたり、子供がいない場合には兄弟に命の継承を頼み、兄弟のない場合には親戚に命の継承を頼み、親戚のない場合には民族や種族や国に命の継承を頼み、そうやって進化を遂げてきた。
ところで最近の若者は自分の生活苦のために子供を作らない。
子孫より今を重視する。
これは動物以下であり、生き物の務めを無視している。
今の自分の生活優先で未来を繋ぐ子供を作らないような日本人のために先人は戦争でなくなったのではない。
戦後の日本人はどこかで生き物の務めを忘れた民族になってしまった。
これは人類は天災という困難を克服することによって明日への活力を生み、今日までの発展を築きあげてきた証左である。
困難を克服することこそ、明日への継承の不可避的条件である。
安易や利便性志向からは何も生まれない。
今からの人類に付託せられた課題である。