いしずえ

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永遠の道 第二巻受難の巻

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出版記念の時のことば     著者代理 戸松倫理

本日は、平日でお忙しい折りにもかかわりませず、多数の方々がお出頂いて有難うございます。

「永遠の道」という文章は、既に古い会員の方々には御存知と思いますが、母が書いて国乃礎の機関紙「いしずえ」に数年にわたって連載されたものでありますが、編集の都合で筆を折るという形で一時的に中断したようになっておりました。母は、これは運動の歴史となるものであるから納得のゆくように手を入れて、単行本として出版しておきたいという希望を度々もらしておりましたがキッカケがなくそのままになっておりましたが、偶然にも年が明けてから急遽出版することになり準備をはじめたのであります。

考えて見れば亡くなる前の母の心のどこかに、この書物を「自分の生命と引替えに遺しておこう」という考えがあったものと思うのであります。不思議なことであったと思うのであります。

この本を開いていただきますとおわかりになりますように、「春雪の巻」とはなはだ文学的な題になっております。これにつきましては、読んでいただければおわかりになりますが、第一巻でとりあつかっている内容は、ほぼ両親の新婚時代と言ってよいかと思います。この「春雪の巻」の「春」と文字に現わされているものは、若々しさとか、希望とか、明るさとか、そういう語感であり、「雪」とは稟とした清潔さと、戦時中の厳しさを、心の中の新婚時代にかよわせて巻名につけられたものと思われます。これは不思議なことに思うのでありますが、三月二十日、母が入院する前々日の夜の団欒が、母がこの世における最後の会話となったのであります。そのときたまたま三島由紀夫の最後の遺作となった「豊饒の海」の四部作の第一巻の巻名が「春の雪」とつけられていることに母は、「既に発表された他人の作品と似たような題名をつけることはどんなものだろう……」と言うので私は、創作にたずさわるものの立場から、古今東西の感銘をうけた小説の題名を例にあげて「そのようなことはいくらでもあることだ、これは小説の類ではないが当初の予定通り『春雪の巻』でよいのではないか」と言ったのに母はうなずいていたのでこの題名になったものと思います。

内容につきましては、母自身が、今の筆で、もう一度手を入れたいところもあっただろうと思いますが、巻名については母の希望通りになったのであります。

「永遠の道」は、二巻三巻出されてゆくことになっておりますが、母が婦人部の代表的指導の立場にありました関係で、残された仕事に婦人新聞「婦人と現代」の編集があります。これについては、母の娘であり、私の妹である聖子が、既に日野家に嫁しておりますが、先方日野家の御両親の許しを得て母の後を継ぐことになっており、また私は妹に助力援助すると共に、父の片腕として尽してきた母を失った後の父の側にあって、できるだけのことをしてゆくつもりであります。

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