いしずえ

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安岡正篤(著) 『天地有情』より

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独在、人は他の人々と接触する必要が少なくてすめばそれだけ幸いである

孤独に堪(た)えないということ、なにかに紛(まぎ)れておらねばおられないということが現代生活のいちじるしい特徴であるが、これはもちろん真実の自己というものを失っているために、また文明の雑駁な刺戟に駆(か)られてだんだん真実の自己を失わされるために、そうなるのであるが、そこから世のなか全体が狂繰化してゆく。

「徒然(つれづれ)わぶる心はいかなる心ならむ。紛るる方なく唯独り在るのみこそよけれ」と兼好はいっているが、ショーペンハウァーも、人は他の人々と接触する必要が少なくてすめばそれだけ幸いである。

自分自身一切の中の一切であり得る人こそ、幸福と心情の平静との最善を保ち得ると語っている。

それは決して単なる寂静主義(quietism)ではない。あくまでも自ら主となり、自己が自己を把握すること、自得である。

自得のみが、真の創造活動を能くする。

もっとも能(よ)く現代を離れ得る者にして初めてもっとも能く現代を救い得るであろう。

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