いしずえ

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安岡正篤(著) 『東洋倫理概論』より

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感謝報恩の心を抱くほど、人は真に力を尽くすことができる

私は孝を論じて、親は人に取って最も直接な造化の現れであり、その造化の生成化育に対するおのずからなる感謝報恩の心の発動が孝行で、孝行こそ誠に百行の基であることを明らかにした。

誠は天の道である。

之を誠にするは人の道である。

之を誠にするとは非思量的な自然のはたらきを自覚的にすることであって、人から言えば、天地に参(さん)してその道を賛け成すのである。

但(ただ)し参賛(さんさん)と謂う時は要するに理知的に反省して居るのであるが、それは実際の生活に於いては必ず天地に対する感謝報恩の行でなければならぬ。

感謝報恩の心に由(よ)らずして真の参賛は無い。

深く感謝報恩の心を抱くほど人は真に力を尽くすことが出来るのである。

何となれば感謝報恩の心は則ち天地の生成化育のはたらきを最も純深に体得する処に動く情意であるからである。

その時理性の眩光(げんこう)は最早その中に吸収せられて、ゆかしく潤い輝いて居る。

感謝報恩の行に於いてほど人間が造化に徹することは無い。

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