津浪 五 奔流は唯流れに流れる。 時々大きな屋根が漂うてゆく。 太い柱が箭の様に走る。騒ぎの中に夜に入った。 家を失った人々はまた宿りに困った。 あちらこちらの倒れた家の陰から焚火が閃く。 日がとっぷり暮れると、皎々たる明月が澄み渡った空にまるま…
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