いしずえ

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『王陽明』より

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妙なもので、自分が非常に傾倒している、愛読しているような書物の中の文句というのは、探すとすぐ見つかるものであります

これは不思議です。書物とこちらとに何か霊感が通ずるのか。そうでなければ、いくら探してもわからん。ここにあるじゃないかと言ってもわからん、というのが多い。ところが本当に自分が研究すると、見つかるからこれは不思議だ。人間の神秘の一つです。

人間同志でもそうであります。一所懸命に何かの研究に没頭して、何か参考書がないか、こういうものはないかと思って、本屋に入ると、何千とも知れん本があっても、すぐ目につく。実にそれはおもしろい。例えば、陽明学なら陽明先生に関する書物がどんなに本が並んでいても、すぐ目につく。不思議なものであります。何事によらず、打ち込んだ研究問題を持っておらんと、漠然として、在るがごとく、無きがごとしだ。何も目につかん。だからやはり人間は、打ち込むというと非常に精神・意識が鋭敏になり、神秘的になる。発明なんてことが行われるのです。身魂打ち込んで問題と取っ組んでおると、そういうものを摑むのであります。