いしずえ

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『東洋哲学講座』より

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入道とは、地位・財産を譲って、真実の生活に入ること

本当に自分を創って、御用があればお役に立てる。御用がなくなったらさっさとごめんこうむる。必要があれば人間のために、世間にとどまって御奉仕する。必要がなければさっさと世間を去って自然に没入する。昔の人はそういうことがわかったんだね。わかったから富貴の地位、つまり支配的・指導的地位にいつまでもしがみついておるということは芳(よろこ)ばしからぬことである。いい年になったら早く後継にその地位・財産を譲って、真実の生活に入るべきものである。これを入道という。入道というのは坊主だけだと思っているのが多いが、そうではない。道に入るのが入道である。昔は年が四十になると、若い者に後を譲って、さっさと現実の支配的地位から隠居入道した。この隠居入道思想は、明治初年まであった。この頃は仲々いくつになっても隠居入道せん。この隠居思想が今日普及したら若い者は又元気を出して、世の中は活発になると思う。