いしずえ

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『経世瑣言』より

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「人物を錬磨するには、人物に依らねばならぬ。一流の人物に私淑せよ

人物を錬磨するにはやはり人物に依らねばならぬ。出来るだけ勝れた人物を探ねて切磋琢磨することが一番確かに自己を造る。之を今に得ても得なくてもまた常に古人に参するが善い。現代人は科学とデモクラシーと自由主義とを曲解して横着になってしまった、頭が高くなってしまった、冷淡になってしまった。

兎(と)に角(かく)もう少し謙虚になって、人に感じ、人に学び、自ら責めねばものにならぬ。

書を読むならば力(つと)めて古人の伝記を読むが善い。それも著者が凡物愚物では古人を伝してどんなにしてしまっているかも知れぬから、なるべく古人の遺した詩歌文章事蹟逸話(いつわ)等を直接探求するが宜しい。論語など、二十の時に読んだのと、三十の時、四十の時自己の変化に随ってそのたびに味が違う。孔子の人物もそれと共に分かるようになって来る。恐らく六十七十の命が許されて読む論語孔子に対する感悟は又格別であろう。