いしずえ

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『運命を開く』より

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真の農村人になるためには、野中の一本杉みたいに、すくすくと伸びていかなければならぬ

農村人は、どこまでも、亭々として聳(そび)える野中の杉、尾上の松の如く、すくすく伸びていかなければならぬ。たえず枝を払い、懐をすかせ、花あれば花を間引き、実(み)成れば実を間引き、絶えず努力すれば、本当に矮樹灌木(わいじゅかんぼく)と違って、偉大な自然人になることができる。

ところが農村は農村で、また都会の文化人に劣らず、わずかばかりの名誉だとか、利益だとか、何かかにか、いい気持ちになって、ちょこまかする矮樹灌木また実に多い。それをまた煽(おだ)て上げるようなことも、時の政治屋によってよく行われる。無闇に百姓を煽ててみたり、労働者を煽ててみたり、村の有志を煽て上げて、そして役に立たぬと、さっさと捨ててしまう。そういうような軽薄にならぬよう大いに修養していただきたいものだ。