いしずえ

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『人物を創る』より

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若くして高華に登るは、不幸なり。修練を欠いてしまうことになるからです

年の若いのにどんどん上へあがる。世の中はこんなものだと思ったら大間違いである。というのは修練というものを欠いてしまうことになるからで、これは不幸である。今日は選手万能の時代で、野球とか、歌舞とか、若くしてできる者にわいわい騒ぐ。これは当人にとって大きな不幸であります。

小娘がちょっと歌や踊りができると、やれテレビだ映画だ、と引っぱり出して誇大に宣伝する。つまらない雑誌や新聞がそれをまたデカデカと報道する。変態現象というか、実に面妖(めんよう)なことで、決して喜ばしい現象ではないのであります。

というのは、人間でも動物でも、あるいは植物でもなんでもそうでありますが、本当に大成させるためには、長い間の年期をかけた修練・習熟というものが要(い)るのであります。インスタントにでき上がるものではない。