いしずえ

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安岡正篤(著) 『陰隲録を読む』より

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禍や病気を防ぐには、誠の心が大事

吉凶の兆(きざし)は、まず心中に兆(きざ)して、それからだんだん身体に現れ動いてくるものである。

だから真実の心の厚い者ほど常に福を得、薄い者ほど常に禍に近づくことになる。

道眼から見ればその道理は歴々たるものであるが、俗眼はくもりが多くてわからない。

禍福は決して定まったものではなく、予測することのできないものだというのである。

しかし至誠は天の道に通じる。

だから聖人・賢人の如き至誠の人は、その人の言語動作の善なるを見て、前以て福の来るのを知り、その人の言動の不善なるを見て前もって禍の来るのを知るのである。

大事なものは誠の心であります。

至誠は必ず天に通じる。

近代文明の一つの悩みは、今までなかったような複雑な病気がたくさん出てきたことでありますが、その病気もだんだん調べてゆくと、ほとんどわれわれの想像もつかぬぐらい精神の影響によって起っているという。

つまりわれわれの生理を追求すればするほど、物質的なものではなくなって、深い心理的・精神的なものになってきたわけであります。

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