いしずえ

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太陽の黒点

今年ことし(昭和せうわ七年しちねん)の暖あたたかいのは太陽たいやうに黒点こくてんが出来できたからだと云いふ学者がくしやがあるやうだが、さうではない。大地だいちが熱ねつしてゐるからである。大地だいちが熱ねつして暖あたたかいから、それが黒点こくてんとなつて太陽面たいやうめんに表あらはれて居ゐるのである。つまり黒点こくてんが出来できたから暖あたたかいのでなくて、暖あたたかいから黒点こくてんが出来できたのである。総すべて之これは大地だいちが元もとである。一般いつぱんに太陽たいやうが大地だいちより非常ひじやうに熱あついものの様やうに思おもはれ、地上ちじやうの熱ねつは太陽たいやうのみから来くるやうに思おもはれてゐるが、実じつは大地だいちが元もとで熱あついのである。太陽たいやうも素もとより熱あつい事ことは熱あついが、大体だいたい元もとは大地だいちから反射はんしやした熱ねつであつて、その熱ねつが高たかまり過すぎて燃もえて居ゐるのである。太陽たいやうが大地だいちより熱あつく、大地だいちの熱ねつは太陽たいやうのみから来くるものなら、太陽たいやうに近ちかい上うへの方はう程ほど──高山かうざん程ほど暖あたたかい筈はずだが、事実じじつは之これに反はんして大地だいちに近ちかい処ところ程ほど熱あついのである。大地だいちの熱ねつは其儘そのまま、または太陽たいやうと反射はんしやし合あつて空気くうきの濃度のうどに従したがつて空気中くうきちうに篭こもるのである。故ゆゑに空気くうきの稀薄きはくになる処ところ程ほど熱度ねつどは低下ていかするのである。之これは富士山ふじさんの如ごとき高山かうざんに登のぼればよく判わかる、上うへへ登のぼる程ほど空気くうきが稀薄きはくになる、それで高たかい程ほど寒さむくなる。要えうするに大地だいちが余あまり暖あたたかなので其その熱ねつが太陽面たいやうめんに反射はんしやし灼熱しやくねつして、ひどい処ところは赤色せきしよくを呈ていして燃もえてゐるのであつて、その赤あかい部分ぶぶんが黒点こくてんに見みえるのである。凡すべて赤あかは黒くろく見みえるもので、写真しやしんに赤色せきしよくが黒くろく映うつつて見みえるのも同おなじ理りである。

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