いしずえ

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安岡正篤(著) 『陰騭録を読む』より

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義理再生の身、絶えず生まれ変って、自分の身体を維持していくこと

義理再生の身とはどういうことであるかと申しますと、義は実践、理は精神、あるいは真理という意味であり、再生は文字通り生まれ変ることであります。人間の再生にはいろいろありますが、生身は祖先の再生の身である現在のこの身を除いては、直接には再生することはできません。しかし実践的・精神的にはいか様にも再生することができる。つまり義理再生の身とは、人間が実践的に思索的に、精神的に道徳的に、絶えず生まれ変って、一日のこの自分の身体を維持してゆくことであります。これは真理である。

書経に「天の下した禍は自分の善業によって尚転ずることはできるが、自分の作った禍は決して避けることはできない」というてある。また『易経』にも「善を積んできた家には、その一代だけでなく、必ず子孫にも及ぶ慶福がある」と教えてくれておる。今日の我々にとっても、将来の人間にとっても、実に親切な、厳粛な教えであります。