お辞儀をするということは、自分が相手に敬意を表すると同時に、相手を通じて自分が自分に対して敬意を表することである
たいていの人は、お辞儀というのは「相手に敬意を表する」ことと思っているが、それは第二義である。第一義は相手を敬するということではなくて、「自らを敬す」ということである。仏典にお辞儀ということを説いて「吾を以て汝を敬し、汝を以て吾を敬す」と言っている。つまりお辞儀をするということは「自分が相手に敬意を表すると同時に、相手を通じて自分が自分に対して敬意を表する」ことである。お互いに挨拶をする。お辞儀をするということは、お互いに相敬するということであり、自ら他に挨拶をするということは、同時に他を通じて自己を敬すと言うことだ。