五、参議院議員は政府が選抜(勅選)するものと改める
参議院の選出は、広く国民の中から学識経験豊富な人物を時の政府が選抜(勅選議員)するものと改める。
民主政治の理念を発現するには、人間を倫理道徳的に高め、国家公共体に対し責任を果し得る主体的人間組織をつくらなければならない。
ルソーの「民主主義の本質は個人の自由と権利にあるのではなく、自由平等な個々人が公共生活に参与し、公共利益のため協同し、公共の責任を担う所にある。」ルソーは私的全体意志でなく公的一般意思が民主政治の生命であると主張しているのである。
民主政治を実現できる国民となるには、国民の一人一人が人格の尊厳と人間の基本的な自由と権利との意義を体得し、自律的人格を養い、政治や公共問題を理解し、それを正しく判断し、それを自由に表明するだけの知識と教養を身につけなければならない。
それのないものに参政権(選挙権)を与えて却って混乱と堕落と無秩序がもたらされるのみである。
自分だけの自由と権利を勝手に主張する現行の民主政治は民主政治でなく衆愚政治であり愚民政治である。
これは民主政治の破壊するものである。
この意味で民主政治を行い得る迄の間政府が参議院直選とすべきである。