いしずえ

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中世のイスラム教 (十七)

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マホメット教の教義は、人間の吉凶禍福悉く神意によって決定され、何人もこれを左右することはできない。

信者は神と予言者とを信頼してこの教えを守れば、極楽の境地に達し、無限の幸福を享けることができる。

中でもこの教えのために戦うことは、信者の最大の美徳であると説いて大いに信者を鼓舞した。

さらに従来の信仰方法を変え、政治的色彩を加えて武断的手段を採用し、自ら剣をとって異教徒を征服し、政教一致の神政王国を創設した。

まず六三〇年メッカを占領して、市内の寺院偶像を破壊し、唯一の寺院を保存し、これを中心に諸方に布教し、次第にその判図を拡張し、遂にアラビア全土、ペルシアの一部を征服し、サラセン国を創設し、六三二年六十三歳で病死した。

歿後シリア、メソポタミア、ペルシア、エジプト、バピロニア、アッシリアを征し、東ローマ帝国の勢力をアジアから一掃し、ギリシアのアレクサンドル大王以来約千年のヨーロッパ支配を覆して旧来の姿に立ち戻った。

その後アフリカ北岸からイスパニアに侵入しヨーロッパのキリスト教国を席捲せんとした。

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