四、巡礼
信者は一生に一度アラビアの聖地メッカに巡礼することになっている。
巡礼は断食と同様に重要とされている行事で、これが終って帰ると「ハージ」といって郷里の有力者として尊敬される。
巡礼には三つの条件がついていて、
(1)旅費および不在中家族の生活が立ってゆく資産をもっていること、
(2)メッカまでの途中危険なきことの確認を得ること、
(3)女は信頼出来る保護者同伴のこと。
これらを実行するにあたって厳格に要求している二つの条件が規定されている。
修行の前に、心身を清浄にすること。肉体の沐浴、清浄、精神の斎戒、生殖行為の禁止。
生活上の無駄、贅沢、華美を厳禁すること、肉食の低減、無駄遣いの禁止。
(43 43' 23)